英会話カフェで出会った女性と結婚した話

通い出したきっかけ

英会話カフェに通い出したきっかけは、英語が上手くなりたかったから。
元々オンライン英会話である程度の日常会話はできたけど、それはあくまで授業上の話。
本当の意味での日常会話で英語がちゃんと使えるようになるために、授業ではなく自由に会話ができる場所に行きたかった。
かと言って気軽に海外に行くことはできなければ外国人の友達がいるわけでもなく、何か良い方法はないかなと探して行き着いたのが英会話カフェ。
こんな所があるなんて想像もしていなかったので知った時にはびっくりしたものだ。

 

英会話カフェは特に入会しなきゃいけないと言うことはなくて、ほとんど一般のカフェと同じ。
普通に入店して飲み物や軽食、スイーツを楽しむも良し、外国人と英語で話すのも良し。
面白いのは日本人同士でも英語で話すこと。
慣れないうちはうっかり日本語が出ちゃうかもって思うかもしれないけど、これが意外と出ない。

 

最初に行った時はかなり緊張した。
緊張したと言うよりも不安だった。
自分の英語力でちゃんと意味が伝わる会話ができるのかどうか。
でも、そんな不安はすぐになくなった。
話し相手になってくれる外国人の皆さんは優しい人ばかりで、なかなか上手く伝えることができなくても笑顔で対応してくれるし、こっちが聞き取れない時は置いてあるタブレットを使って文章を打ってくれたりする。
初めてでその楽しさにすっかりハマってしまって、週に2〜3回、予定のない時はほぼ毎日行ったりしていた。
結構お金がかかったけどおかげで英語はメキメキ上達。
3ヶ月もすれば会話につまづくことはなくなっていた。

 

目的は果たしたものの、普通に友達と遊びに行く感覚で通い続けていた。
そんなある日、初めて見る女性が来店。
自分が話していた外国人(以下ジョン)が知り合いだったようで、手招きして席に呼んでいた。
何でも、その女性がアメリカに留学しにきた時、ホストファミリーとしてジョンがお世話していたらしい。
ジョンが来日してから3年、連絡を取りつつもほとんど会う機会がなく久々の再会とのこと。
大げさにも見えるハグで女性を出迎え、昔話に花を咲かせていた。
自分はお邪魔かなと、軽く挨拶をしてその日は帰った。

突然の紹介

そしてしばらく経ってから、ジョンから連絡が。
前カフェに来たあの女性と3人で飲みに行かないか、とのことだった。
特に断る理由はなかったので、一つ返事で了承。

 

当日、待ち合わせは新宿東口の交番付近。
10分前に着くとジョンが既に来ていた。
すごい人混みだが、ジョンはかなり背が高い上に綺麗な金髪なのですぐわかる。
雑談しながら待っていると、時間ぴったりに女性が到着。
そこで改めて簡単な自己紹介をした。
名前はユミと言うらしく、自分より3歳年下で教師らしい。
立ち話もなんだからと、居酒屋へ。

 

ビールで乾杯し、ユミの留学生の頃の話やらを色々聞いて楽しい時間を過ごした。
最初は2人は付き合っているのかと思ったが、全力で否定されて笑った。
ジョンとこうして飲みに行ったのは初めてだったけど、日本食が大好きらしく刺身ばかり食べていた。
欧米人の多くは生魚は苦手なイメージがあるので意外に思うかもしれないが、最近は寿司屋が海外進出していることもあり、だんだんと苦手な人は減ってきているらしい。
それでもほとんどは刺身で食べることはないとも言っていたけど。
ジョンも日本で食べる刺身とアメリカで食べる刺身は全く別物で、日本じゃないと食べられないと言っていた。
恐らく、ちゃんと美味い寿司や刺身が食べられる店はまだ海外にはほぼないのだろう。

 

そんな感じでマグロやイカ、カンパチをひたすら食べながらビールを飲むジョン。
ユミは食が細いのかあまり食べず、ビールもちびちび。
口数少なめで緊張しているのか、それとも楽しくないのか。
自分は来ない方が良かったのでは…と不安になってしまったのだが、ユミがトイレに立ったタイミングでのジョンの言葉に衝撃を受けた。
「ユミ、シンヤ(自分)にヒトメボレしたらしいヨッ!」と。
曰く、自分とこうして飲みに来て緊張して大人しいんだろうと。
一瞬でパニくってしまった。
自分はそれまで彼女がいなかったわけではないが特にモテるタイプでもなく、当然一目惚れなんてされたことはない。
それがいきなり、だ。
とりあえず、ユミが戻っても平静を装い、ジョンがトイレに行く瞬間に気を利かせたのか、連絡先の交換を提案されたので、LINEで繋がることとなった。

LINEで会話する日々

その日の解散直前、ジョンから「ユミがシンヤを好きなこと、秘密って言われてるからヨロシクッ!」とこっそり言われた。
そりゃまあそうだろう。
一目惚れしたなんてこと、まだほぼ初対面の相手に伝えられるのはほとんどの女性が恥ずかしく思うに違いない。
知らないフリをしてユミと接していかなければいけないと思うと少し面倒そうな気もしたが、仕方がなかった。

 

家に帰りシャワーを浴び、スマホを見ると特に連絡は来ていなかった。
これは自分から連絡すべきだろうか、と変に意識して考えてしまって、結局連絡しないで寝てしまったが、翌日起きるとユミからLINEが来ていた。
飲み会お疲れ様でしたくらいの簡単な内容だったので、こっちも簡単に返信。
そこからは1日数回、LINEで会話するようになった。
雑談ばかりしていたけど、時折自分について色々知りたいのが垣間見える質問が来たり、だんだん本当に好意を寄せられていることが実感できるように。

 

正直、ユミはすごく美人だ。
美人に好意を持たれて悪い気になる男なんているはずもなく、自分も気分は良かったし、少しずつユミが気になるようになっていった。
色んな話をしているうちにかなり打ち解けてきたタイミングで、今度2人で飲みに行かないかと誘ってみた。
当然下心など一切ない。
単純に飲みに行って楽しい時間を過ごせればそれで十分。
返答はOKだったが、なかなか都合が合わなくて実現するまで1ヶ月近くかかってしまったのを覚えている。

 

待ち合わせは表参道。
原宿から明治通りまで歩いていったので結構時間かかったけど、5分前には到着。
すると、既にユミも来ていた。
待たせてしまったのかと思ったけど、ほとんど同時だったようで安心した。
すぐ近くにあるカフェで腹ごしらえの後、バーへ行きゆっくり飲んだ。
2人ともほろ酔いになりながらの会話はすごく楽しくて、あっという間に時間は過ぎて解散。
この時には、自分もユミが好きになっていたと思う。

 

その後何度か2人で会い、自分から告白し付き合いが始まった。
ジョンに報告するとものすごく喜んでくれて、自分も嬉しかった。

プロポーズから結婚まで

付き合ってから早2年。
同棲を始めて半年のタイミングで、プロポーズした。
派手なことが好きじゃないユミなので、特別な演出はせず、家でご飯を食べて晩酌中に。
ユミは泣きながら「嬉しい嬉しい」と何度も言って喜んでくれた。
まさかそこまでと想像していなかったのでびっくりしたけど、すごく幸せな時間だった。
すぐにお互いの両親への挨拶を済ませ、入籍。
ユミのお父さんには同棲を始める前から色々とかわいがってもらっていたので、すんなり結婚の許しをもらうことができた。

 

アメリカに一時帰国していたジョンにも報告。
結婚式には絶対呼んでくれと言われ、もちろんそのつもりだと返した。
その半年後の結婚式ではジョンを始め、英会話カフェでよく話し相手になってくれた外国人の友達を全員招待。
新郎側の席を見ると、日本だよね?と思ってしまうくらいの雰囲気だったけど、逆に印象深い結婚式になったんじゃないかと思う。
実際ユミの友達には面白かったみたいで、その後英会話カフェに行くようになった人も何人かいるんだとか。

 

そして今も、2人幸せな毎日を過ごしている。
ユミは日本語教師、自分は英語の塾講師と、お互い教育に携わっているのもあって、家では教えることの難しさや楽しさについてよく話し合っている。
ちなみに塾講師として働く場合は特に必要な資格はないが、日本語教師は日本語教育能力検定試験に合格している、もしくは400時間くらいの研修を受けなければならないらしい。
ユミは通信講座で勉強し、検定試験に合格。
難易度の高い試験だけに通信講座は少し不安だったみたいだけど、メールで質問するとその日のうちに丁寧に返信がもらえて思ったよりもスムーズに勉強できて良かったと言っていた。

 

人を育てる仕事と言うのは本当にやりがいがあって楽しい。
今はお互い生徒で精一杯だが、いずれは2人の子供を育てていけたらと思っている。